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2020年12月14日12月の分解練習曲は「悲しくてやりきれない」

師走というと、師も走る(師匠である僧侶がお経をあげるために、東奔西走する)ほど忙しい月、といった印象があります。
調べてみると「年果つ(としはつ)」(年が果てる、終わる)、「四極(しはつ)」(四季が終わる)が変化して「しはす」となったなど、語源としては諸説あるようです。
どちらにしても一年の終わりといったイメージですが、コロナ禍の今年は、なかなか終わりが見えず、年を越してもマインドを変えるのはちょっと難しいかな、などと考えてしまいます

例年であれば、仕事もそうですが、忘年会やらクリスマスやらで、忙しくしていたであろう日々が、
自粛という形で、どうにもならず、まさに今月の歌ではないですが、「悲しくてやりきれない」といったところです。
スーパーの食品売り場には、ぼちぼちおせち料理の材料なども並んでくるころかと思いますが、お正月もおせちを囲んで親戚一同が集まるといった光景は、あまり見られないのかもしれませんね。

とはいえ、沈んだ気分で年越し・年始を迎えるのもちょっとつらいですよね。そんなときはやはり歌でも歌って元気を出しましょう!
本来であれば、活動に参加していただき、生の伴奏で、合唱を楽しんでいただきたいところですが、まだまだ実際の活動には参加できないという方も多いでしょう。
そんな方々のために、今月も動画を用意しております。動画を見ながら、ぜひ指導員と一緒に歌ってみてください。

まずは、今月(12月前半)の曲です。
「悲しくてやりきれない」
「万里の河」
「飛んでイスタンブール」
「クリスマス・イブ」
「ラヴ・イズ・オーヴァー」

今月前半は、分解練習曲の「悲しくてやりきれない」だけ1968年発売と若干古く、他の曲は1980年前後の曲です。
どの曲も一度はみなさん耳にしたことがあるのではないでしょうか。山下達郎の「クリスマス・イブ」はこの季節の定番ソングですしね。
「万里の河」や「飛んでイスタンブール」「ラヴ・イズ・オーヴァー」なども「ザ・ベストテン」世代の方には懐かしい曲ではないでしょうか? 

そんな曲たちのなかにあって、世代的な違いを超えて、いま聞いても心を打つ、ザ・フォーク・クルセダーズの名曲「悲しくてやりきれない」が、今月分解練習曲です。
作曲者の加藤和彦が、当時のレコード会社の社長室で、「イムジン河」に代わる曲をつくれと言われ、3時間で完成させたという逸話の残るこの曲。
「イムジン河」のメロディーを逆にしてつくったなどという話もありますが、どこか切ないメロディーに載せた、サトウハチローの歌詞がまた切なくてすばらしいですね。

2016年に公開されたアニメーション映画『この世界の片隅に』では、挿入歌として、「悲しくてやりきれない」が使われていました。
歌っているのは、この映画の音楽を担当したコトリンゴ。ご覧になっていない方にはネタバレっぽくて申し訳ないですが、
冒頭にかかるこの曲で、映画の世界にすっっぽりとはまってしまいます。機会があればぜひご覧になってみてください。

「悲しくてやりきれない」とはだいぶ雰囲気が違いますが、ザ・フォーク・クルセダーズのヒット曲といえば「帰って来たヨッパライ」を思い出す方も多いでしょう。
テープの早回しによる不思議な声が印象的なこの曲。当時は何か「おもしろい曲」くらいにしか思っていませんでしたが、
よく聞くとビートルズの「A Hard Day’s Night」がお経として入っていたり、「エリーゼのために」がちらっと流れたり、実験と遊び心にあふれた不思議な曲でした。

加藤氏は残念ながら、2009年に自ら命を絶ちました。「あの素晴しい愛をもう一度」「白い色は恋人の色」などの名曲はもちろん、
その後サディスティック・ミカ・バンドの活動なども含め、日本の音楽シーンに大きな足跡を残した偉大なミュージシャンの一人でした。
2000年代には木村カエラをボーカルに迎え、サディスティック・ミカ・バンドを再結成したり、坂崎幸之助を新メンバーとして、
ザ・フォーク・クルセダーズの活動を行ったりと、まだまだ活躍が期待されていたはずです。それだけに天国の神様にも追い出され、
もう一度帰ってきてほしいと願ったファンや関係者の方は多かったのではないでしょうか。
今月の分解練習曲「悲しくてやりきれない」、ちらっとそんなことを思い浮かべながら、歌ってみてください。

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